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相馬堂奥之院
◎所在地
〒036-1343 青森県弘前市大字百沢東岩木山
相馬堂
開祖相馬ヨシは大正13年、森田村上相野、福士勘三郎家から出た人で、大正13年に娘のツル(二代目)を身ごもってから神がかりがあり、先祖のことなどもあり信仰の道に入る。ツルが生まれて40日程過ぎてから、相馬ヨシは入内の
石神神社
や八幡神社、寺院などで修行を重ね、そして神のお告げで赤倉へ登った。それからも
石神神社
へはよくお参りしたという。赤倉では新谷万作の
矢沢堂
で10年間世話になったという。相馬ヨシはツルをおんぶしたり、歩かせたりして赤倉へ登って修行を重ねた。修行を続けているとヨシの夢の中に赤倉の神が現れて「この場所をひらけ」と告げた。昭和28~9年頃のことである。最初の霊堂は拝殿と宿舎も兼ねており、五間に六間の平屋にして建てた。昭和30年頃のことである。2年ぐらいして寝泊まりしている場所へ神様を一緒にしておくのはあまりにも恐れ多いというので道路の西の方へ奥の院を建て拝殿を移し、昭和48年には拝殿と奥の院を建て直した。次いで昭和49年には宿舎も建て直した。昭和46年に霊堂の地は払い下げで相馬ヨシの所有となったが、その前は借地であった。弘前の十六部隊の兵舎に、終戦時までたくさんの兵隊たちが拝んできたお堂があった。兵舎が壊される時、ただ焼き捨てられるのは忍びないといって、板柳町の
海童神社
で預かってきたそのお堂を、昭和48年に宮総代が相馬のところに納めた。それを修理したのが今の奥之院である。今は赤倉大権現を祀っているが、そうした縁で十六部隊に縁故のある人がお参りに訪ねてきていたという。相馬は赤倉では「赤倉の熊」と呼ばれていたという。相馬ヨシが70才の時(昭和44年)白昼の赤倉山中で何人もの人と一緒に、神の姿を見る出来事があったという。それはある晩のこと、ヨシが拝殿で拝んでいると「明日は赤倉と岩木山の分かれ道で、岩木姫が待ちうけておるぞ」というお告げを受けた。翌日、何人かの信者を連れて八十八ヶ所から岩木山の方へ行く分かれ道の上の五葉の松の所まで来た時、その五葉の松の上に神様がいるのを目撃する。見た目は年頃にすると26~7才、流し髪で首飾りをつけ、白衣を着て袴を履いていた。一緒に行った菊池という人が最初に見つけた。ありがたさに、みんなで「バンザーイ」と叫んだら、神様もバンザイをしたという。五色の雲の環の中で、唐傘5本ぐらいも広げた松の上に立っていたそうである。消える時は静かに探海灯のように後光をさして自然に消えていったという。また、種市の永助様の神様の姿にも会うことができたともいう。旧9月28日に赤倉へ登った時である。肩がドサッとなっているケラををつけ、それに藁のハバキをあてて山の向こうの坂に腰を下ろしていたという。相馬ヨシが昭和54年に80才で亡くなってからは娘のツルが後を継いでいた。幼き頃はヨシと共に何度も赤倉に登ったことはあったが、昭和25~6年に連れてこられた際に、本当の赤倉のことが分かったという。冬でも山にいて霊堂を守っていたという。参詣する人は、板柳、青森市、八戸から東北、北海道まで広がっていたという。平成16年暮よりの大雪にて、平成17年5月に拝殿並びに宿舎が積雪に耐え兼ね倒壊し、6月半ばより解体整地をする。現在の奥之院は無事であったが同年修理補強し現在に至っている。
◎開祖
●相馬ヨシ
出身地 青森県西津軽郡森田村上相野
明治33年 (1900年)生まれ。
昭和54年(1979年)病気の為80才にて没。
●二代目 相馬ツル(ヨシの娘)
出身地 青森県青森市篠田1-26-23
◎建立月日
昭和31年7月27日(営林署貸付日)
昭和30年頃建立
昭和48年再建
◎御祭神
赤倉大権現
岩木山大神
岩木姫
聖観世音菩薩
◎例大祭(現在は行われておりません)
大祭 旧5月28日
例祭 旧9月28日
◎里の拝殿
青森県青森市篠田
(自宅内の祭壇)